横浜市会議員 中区選出 福島直子

私の目線から

子育て支援を住まいの視点から。

2013.05.05

当日は、お母さん大学の藤本学長代理と青柳さん
旭化成ホームズ(株)の商品企画室から高橋室長と玉光さんがご説明くださいました。

9月24日、戸塚区選出の中島光徳議員とともに、「へーベルメゾン母力(ぼりき)ひがしとつか」を訪問してきました。「子育て支援」というと、とかく「保育所待機児童の解消」という話題になりがちですが、もう少し根源的な部分で子育て世代を支え、子どもたちに満足を与える施策の充実とは何かという問題意識から、新聞に紹介されていた「母力ひがしとつか」に関心を持ちました。

小さい子どものいる家庭では必需の「畳敷きの部屋」で説明を伺う

一見どこにでもある集合住宅ですが、商品の企画・開発にあたっては、長年「お母さんはすごい!」をテーマにネットワークづくりを進めてきた「お母さん大学」の皆さんとの2年間にわたる共同研究が基本になっているということでした。建築というハードに、子育てするお母さんたちの繋がりや共感といったソフトが丁寧に組み込まれていることに感心しました。

以下、商品開発した旭化成ホームズ(株)の記者発表資料によると…

「『お母さん大学』と2010年7月から実施した共同研究の結果、賃貸住宅に入居する子育て期のお母さん達にとって、一般的な保育サービスの提供や立地条件などのみでなく、「子育てを共感でき、気軽に助け合える仲間がいること」・「互いの子どもを自然と見守れること」・「社会と繋がりやすく、自発的な活動をしやすいこと」など、地縁の薄いお母さん同士を繋ぎ、地域社会とも繋がることが、結果として子育てをするお母さん達の安心や日々の生活の充実、ひいては子育ての喜びに繋がるとの認識を得ました。

今回の商品では、この認識に基づき新たに建物及びサービスを設計しました。建物としては、各住戸のアプローチ動線上に入居者のコミュニケーションスペースや遊び場を配し、母親や子どもがお互い交流しやすいよう工夫すると共に、各住戸の間取りはコモンスペース(中庭や廊下)に面した玄関側にLDKや土間空間を設けることで、お互いの気配が緩やかに感じ合えるようにしています。

入居者募集の新たな試みとして、「お母さん大学」のネットワークを活用した物件コンセプトの告知や、独自に定めた住民憲章「子育てクレド」など、コンセプトに共感する入居者を集めるための仕組みを構築します。

入居後のサービス面においても、住民同士のコミュニケーションを促すことや子育て家族が地域社会と接点を持つことを目的として、「お母さん大学」のネットワークを活用した「母力サポーターズ」を組織し、建設地周辺地域に住むサポーターが日常的な交流や地域情報の提供を行うとともに、住民たちの自発的な集まりなどの支援を行い、入居者であるお母さんたちを応援していきます。」

とあります。

1階住戸は居間からも出入りができて開放的(左)
砂場もある共用庭で子どもも大人も
様々な交流ができそうだ(右)

母力ひがしとつかに先行して建てられた三鷹市内の物件の入居者からは、子育てがこんなに楽しく、他家の子どもも含め子どもたちがこんなに可愛いと感じたことはなかった、との感想が寄せられているそうです。建築物が暮らしに与える影響の大きさを感じます。賃貸物件の経営では、建物のデザインや什器備品の新しさに重きを置くということも多い中で「安心して子育てを楽しめる居住環境を提供する」という投資理念が新鮮です。

高齢化や不況の影響から、入居希望が大変多い市営住宅は、絶対数の不足解消がまず求められますが、若い世代の結婚・子育てを支援することを目的とした募集枠を創設するなど、次世代育成に直結する施策展開も求められます。その際、「母力」のような民間力・地域力との協働が大いに期待されると感じました。

ちょっとしたおしゃべりもできる「お母さんステーション」

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